フィールドフォースでは、オーソドックスな白のボールをはじめ、様々な軟式練習球を販売している。どれも特徴があり、うまく利用することで、練習の幅が広がるはず。中には、ボールというよりは、練習ギアの意味合いが強いものも。こうした軟式ボールのバリエーションが生まれたきっかけは…。
すべての始まりは軟式練習球

フィールドフォースが販売する、何種類もの軟式ボール。それぞれが意図と目的を持って開発されている。
それらのボール開発の基本となっているのは、いわゆる「練習球」だ。
フィールドフォースは、いわゆる「公認球」メーカーではない。つまり、軟式野球連盟が主催する試合で使えるボールはない。
それが何を意味しているのかといえば、ボールを「試合に必要な道具」のひとつと捉えるか、「練習のための道具」と捉えるか、という違いだ。
もちろん、公認球を使って練習できる環境があればベストだ。が、ネックになるのは値段だ。
「普段の練習で、どれだけ豊富にボールを使えるかって重要ですよね」
フィールドフォース社長・吉村尚記が、ボール開発の思いを語る。
「使えるボールの量は、練習の効率や効果に直結します。チーム練習では、たくさんのボールがあって、残りのボールの量など気にすることなく練習に打ち込めることがベストといえます」
ピッチングマシンを導入しての打撃練習などともなれば、なおさらである。
吉村が続ける。
「ただ、そのボールを『公認球』で賄おうとすると、予算的にちょっと…となるチームがほとんどではないでしょうか。できる限り安価で、豊富なボールを使って練習してほしい、そんな思いで開発したのが、フィールドフォースの練習球なんです」
こうして誕生したのが、フィールドフォースが販売する練習球だ。
独自試験ではあるが、サイズ、重さはもちろん、反発などの数値も公認球にできる限り近づけて製作されている。ボール表面の模様は、独自に意匠登録をした、桜の花びらを模したものになっている。
夕暮れでもよく見えるボールを

さて、ここから、いかにも吉村らしい発想により、様々な展開が始まる。
「最初に作ったバリエーションは、蛍光色のボールです」
ナイトボール(FNB-682JYNなど)は、フィールドフォースの代名詞ともいえる「穴あきボール」のイエローにも似た、蛍光色の塗料を練りこんだゴムで作られた軟式ボールである。
これは他の軟式練習球も同様だが、白色以外の軟式球もすべて、フィールドフォースのボールは後からの着色ではなく、素材自体に塗料が練りこんであり、色落ちなどの心配はないのが特長だ。
加えて、染色過程以外はすべてオリジナルの練習球と同じ工程で作られるため、ボールの挙動や特性、使用感も公認球に近いものとなっている。普段の練習と同じ、あるいは、試合本番とも限りなく近い感覚で使えることが、フィールドフォースの軟式練習球最大の特長であり、アドバンテージなのだ。
ナイトボール開発の着想について、吉村が説明する。
「個人練習でもチーム練習でも、ナイター設備がないグラウンドなどで練習している人は多いですよね。日が暮れて、ボールが見えるか見えないか、といった時間帯に練習をしている選手たちもよく見ます。そんなときに、普段のボールよりも見やすいボールがあったら…というのが、開発のきっかけです」
誰しも記憶にある光景ではないだろうか(思い出したくない、キツい練習の記憶でないことを祈ります)。
素朴な要望ではあるが、それを軟式球で実現してしまうのがフィールドフォースならでは、といったところではないだろうか。
まだある!フィールドフォースの色々ボール


次に商品化されたのは「フライ克服ボール」FNB-6812/682JBLKと「見えにくいボール」FNB-6812JBRN/682JBRN、そして「動体視力鍛錬ボール」FNB-6812JMC。
「フライ克服ボール」は、「ノックなどで打ち上げたフライが、空の色と同化して見づらい」という声を参考に作られた、黒い塗料を練りこんだボール、「見えにくいボール」は逆に、地面(土のグラウンドを想定)と似た色のボールを使って練習することで、集中力を高めよう、という狙いで作られた、薄茶色のボールだ。
「動体視力鍛錬ボール」は青基調の迷彩模様のボールで、これは模様の変化に集中することでボールの回転を見極め、動体視力を高めよう、という狙いで作られたものだ。
投球時にボールの回転を意識しよう、という「回転チェックボール」FNB-681JKN/FNB-721MKNという商品も作られた。これは半分が青、半分が白のボールで、貼り付け面に後から赤いラインをのせている。

これらは、白色練習球と同じ工程で製作され、実戦で使われる公認球に近い使用感で練習することができる。
開発はさらに進む。
初心者用のグリーンライトボール

「グリーンライトボール(ダース)」FNB-6812JGL-100は、軟式J号球と同じ直径約69ミリの大きさながら、30グラムほど軽い約100グラムに仕上げられた、グリーンのボールだ。
長らく「FFファミリー」として、フィールドフォース製の各種ギアを使用、頻繁に意見交換も続けてきた滋賀県・多賀少年野球クラブの辻正人監督。同クラブで取り組んでいる「幼児野球」での使用を前提に、J号球と同じ使い心地で、肩や肘への負担を軽減するために開発された「グリーンセーフティボール」の改良版である。
「グラブなしでキャッチボールできることを目的に、『やわらかボール』というのも作りましたが、それとは別に、適度な硬さがあり、野球初心者の小さな選手もグラブを使ってしっかりキャッチできるボールを、ということで開発したボールです」

マシンで使う高耐久軟式ボール、そして…
最近では、マシン練習での使用を前提として、素材の配合率を見直すことで耐久性を高めた「マシン対応軟式練習球」FNB-6850JMB/FNB-7250MMBを開発、販売を開始した。
こちらはピッチングマシンでの使用を前提としているので、50個単位での販売となっているが、1球当たり350円(税込み)と安価で、これまでの練習球よりも耐摩耗性に優れ、耐久性が高い(当社比)。
これは通常の練習球とも区別がつくように、J号球はイエロー、M号球はオレンジと、それぞれ特徴ある色で作られている。

このマシン対応練習球は発売から人気となっているが、このボールの開発経緯で、吉村にひらめきがあったのだという。
「長らく、考えていたんです。トレーニングに使う、砂鉄入りのサンドボールってありますよね。あれを軟式球のガワでできないだろうかって」
軟式球の内部は空洞になっている。砂鉄を入れれば、当然、軟式球の形をしたサンドボールを作ることはできる。
「問題は強度なんですよね」
これまでの軟式ボールでは、サンドボールのガワにするには、強度が足りなかったのだ。
だが、マシン対応練習球の素材を使うことで、軟式ボールの外装でも砂鉄を仕込み、サンドボールとしての使用に耐えうるものを作ることが可能に。普段の軟式球と同じ感覚で使える、サンドボールが出来上がるのだ。
「これまでにあるサンドボールの外装は、ほとんどがPVC(ポリ塩化ビニル)です。ボールの表面が柔らかいためにボール自体の変形が大きく、手触りもかなり違います。投球でのリリース時、打撃でのインパクト時の感覚や、ボール自体の挙動が、実際のボールとはやはり異なります」
吉村が解説する。
「これが同じ感覚で使えたら、練習の質が変わると思うんですよね」
このサンドボールはまだ開発中ながら、遠からず商品化されるはずだ。
今後もまだ見ぬバリエーションが派生してきそうな、フィールドフォースの軟式ボール。次はどんな製品が登場するだろうか。